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2020年03月22日

「世の静謐」を願う

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こんにちは、兵庫県伊丹市の西田鍼灸療院です。伊丹市内を中心に尼崎市・豊中市をはじめとする阪神・北摂地区の患者様のお身体の悩みを「根本改善」に導く「根本治療」の鍼灸を提供しております。

ダイナミックな歴史・時代小説で知られる伊東潤の新作『茶聖』(中央公論新社)が出た。

茶聖とは、安土桃山時代の侘茶の完成者・千利休のこと。

すでに利休については様々な小説が書かれているが、本作は「政治的人間・利休」が主旋律となる。

戦に明け暮れる武士(もののふ)の荒く猛り立った心を静める茶道を広く敷衍することは、世の静謐=平和をもたらし、治世に大いに役立つと、時の権力者・織田信長に説き近づいた利休が、信長の死後、後継者・豊臣秀吉の影としてより深く政治にコミットした結果、茶の湯は天下を制する。

しかし、力を持ち過ぎた利休の存在はやがて秀吉の勘気に触れ、死罪となる。

本作は、政治の光と影というそれぞれの役割を果たした結果、お互いの領域を侵食したことが相剋を生み、破滅に繋がったとの見方を示す。

また、副旋律として家庭人・利休が描かれる。

妻との心温まるやりとりや、反抗していた長男が次第に父を理解していく様子も読みどころ。

著者は、「小説は常に現代の写し鏡でありたい」という。

戦国時代を描いた本書も、人々の評価によって経済が動く様子を描いている点では現代と共通する。

そういう意味で新型コロナウイルス感染拡大で騒然とする今、世の静謐=平和を目指した茶道の求道者・千利休の生涯に触れることも一興かと思い、本作をご紹介した次第である。

1日も早くコロナ問題が終息し、世の静謐=平和が訪れることを祈念して筆を置く。

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