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2022年03月28日

時間をあげる

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こんにちは、兵庫県伊丹市の西田鍼灸療院です。伊丹市内を中心に尼崎市・豊中市を始めとする阪神・北摂地区の患者様のお身体の悩みを「根本改善」に導く「根本治療」の鍼灸を提供しております。

 

本院は聴き下手人間である。

 

相手の話を聴くというのは、とにかく難しい。

すぐに否定したくなったり、自分はこう思うと反対の主張をしたくなったりする。

半分ほど聴いたらもう大体相手の思っていることに勝手な想像をつけて、最後まで聴き終える前に、色々な指示を出したりしてしまう。

 

臨床の場でも、患者様は決してすらする語ってくれないし、時に長く黙り込んでしまうこともある。

この沈黙の時間がとてもしんどくて、すぐ「あなたの言いたいことはこういうことじゃないの?」という風に言葉を迎えにいく。

 

症状が快方に向かうためには、患者様自身の自己変革が必要である。

自分が変わるというのは、自分を編んでいる物語を組み換えるということだから、最後まで自分で語り尽くさなければ意味がない。

他人のアシストに頼っていたら、またすぐ元の木阿弥になる。

語り尽くす、そのプロセスを自分で歩み切ることが重要である。

 

だから、聴く方も、揺れる相手の思いを自分の理解の枠に収めようとしてはいけない。

それは臨床の語らいというのが施術者と患者様のそれぞれにかけがえのない思いの交換であり、互いに共通するところを見つけようとするのではなく、それとは正反対の過程、つまり同じ事態に向き合っているのに、この人はこんな風に感じるのかという風に、自分と相手の間の差違こそ、深く、そして微細に思い知らされる営みだと思う。

それゆえに、聴くということにおいては、自分の思いや主張を認めてくれたと相手が思うよりも、自分のもつれる言葉がそのままできちんと受け止めてもらえたということの方が、大きな意味を持つ。

人は自分の言いたいことではなくて、「言いたいというその気持ち」をこそ受け止めて欲しいものだ。

互いの、こういう存在の肯定とでもいうべきものが、臨床の語らいでは必要である。

そのためには、相手が自分を語り尽くすまで「待つ」ことが何より大切になる。

 

換言すれば、聴くというのは、詰まるところ、相手に「時間をあげる」ことに他ならない。

 

 

 

 

 

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