2020年07月25日
危機の時代ー世界的投資家から日本人への警鐘
ブログ
こんにちは、兵庫県か伊丹市の西田鍼灸療院です。伊丹市内を中心に尼崎市・豊中市をはじめ阪神・北 摂地区の患者様のお身体の悩みを根本改善に導く根本治療の鍼灸を提供しております。
国内の新型コロナウイルス新規感染者数が増加に伴い、感染第2波の懸念から外出自粛要請が出される中迎えた連休(7/22〜25)を利用し、世界的投資家ジム・ロジャースの近著を3冊まとめ読みした。
その3冊は、①『危機の時代』(日経BP)、②『ジムロジャース大予測』(東洋経済新報社)、③『ジムロジャース世界的投資家の思考法』(講談社)。
ジム・ロジャースは世界三大投資家の一人に数えられ、これまで2回の世界一周旅行と116カ国を訪問した実績から“冒険投資家”の称号を持つ斯界のカリスマである。
今、全世界がコロナショックに大きく揺れている。
止まらない感染者数の増加は国境閉鎖によるヒトとモノの流通の寸断を招き、世界経済に甚大な被害をもたらしている。
これにより多くの企業倒産、失業者の増加は避けられず、このまま世界恐慌に至る危険性も見えてきた。
広く世界を旅して見聞した経験に裏打ちされた俯瞰的視野に立つ大投資家は、かつて1987年のブラック・マンデーや2008年のリーマンショックなど節目となる経済潮流を予想し的中させてきた。
2019年からは、「2008年のリーマン・ショックをはるかに超える金融危機が迫っている」と警鐘を鳴らし続けてきた。
ジム・ロジャースによると今回の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は一つのきっかけに過ぎず、経済危機が迫っていること自体は以前から見えていたと言い切る。
『リーマン・ショック後の12年間、世界中で株価が上昇していた。
歴史的にも10〜12年間も株価が上がり続けることは極めて異例で、株価があまりに長期に渡って上がり過ぎれば、やがて下がるのは必然。
何よりこの株高を支えていたのが金融緩和政策であり、その結果過剰債務など深刻な財政問題を抱える国が目立つ』
コロナ禍による世界恐慌を回避するためにこの傾向はますます顕著で、アメリカをはじめとする先進国は、更なる金融緩和策として無制限の国債買い入れや政策金利の引き下げ、景気刺激策という名の巨額支出を繰り返している。しかしこれは対症療法に過ぎず、しばらくは有効としてもやがて積み増した国債の金利が上昇し、通貨が暴落する。残るのは巨額の債務とハイパーインフレという悪夢である。
つまり、新型コロナウイルスはトリガーに過ぎず、世界で「終わりの始まり」の幕が上がった訳である。
すでに約1100兆円という途方も無い借金を抱える我が国は、これまで政府、日銀が恐るべき規模の金融緩和を行い、国債やETF(上場投資信託)やREIT(上場不動産投信) を大量に買い入れてきたが、コロナ禍以後、ETF購入目標額を年間6→12兆円に倍増し、国債購入上限額の撤廃を決定した。これは、事態をますます悪化させる愚策としか言いようがない。
ズバリ日本を衰退させる原因は、この増え続ける「借金」と少子高齢化を背景に減り続ける「人口」だとジム・ロジャースは指摘する。
豊富なデータと自身の投資家としての経験から導き出されたジム・ロジャースの以下の警告に真摯に耳を傾けたい。
・永遠に借金を続けることなど不可能なのだから、防衛費や公共工事を始めとする無駄な支出の削減をする一方、女性が出産、子育てに前向きに取り組めるような少子化対策として効果がありそうなことは何でもやり、仕事と子育ての両立できる環境を整えることが急務である。
・コロナ禍で一年開催延期が決まった東京五輪は日本の景気を浮揚させる起爆材として期待されているが、東京五輪が低迷している日本を浮揚させる直接のきっかけになると私は思わない。
もちろん様々な経済波及効果はあるが、それは開催期間中、一部の人に短期的な利益をもたらすだけで、歴史を振り返れば、オリンピック後に開催国の経済が上向くという明確なエビデンスはなく、むしろ国の借金を増やし、財政を悪化させているケースが多い。
長期的視点に立てば、国全体を救うことにはならず、むしろ弊害 の方が大きい。
・少子高齢化に伴う人口減少は深刻な労働力不足と国内市場の縮小をもたらすが、これを予防する特効薬は積極的な移民政策を行うことである。
歴史を振り返れば、「鎖国する国は貧しく、解放した国は豊かになる」。
「移民に対する開国」で海外から優秀な人材が押し寄せるようになれば、その多様性がイノベーション=技術革新を生み出して新たな雇用と国力の活性化をもたらす。
そのためにまず、日本人の移民アレルギーをなくすことが必要だ。
・日本の将来を考えた時、ものすごい勢いで子供を増やすか、移民を受け入れるか、とんでもないスピードで減らすかしない限り、日本が長期停滞から脱する見通しは絶望的だ。若者が減って高齢者が増える。社会保障のサービス水準が変わらないとすると、数少ない若者に重税を課さない限り借金は増え続ける。誰にでもできる未来予想だ。
このままいけば、日本には恐ろしい未来が待っている。
すぐに消滅することはないが、実質的に国家が維持できなくなる可能性がゼロとは言えない。
将来的には、「かつて日本という国があった」と歴史の教科書に記述されるかもしれない。
・もし私が10歳の日本人ならば、AKー47(自動小銃)を購入して日本に居残るか、国外に脱出することを考えるだろう。
日本に居住し続ければ、これからの人生で、大惨事に見舞われる可能性が高いと言わざるを得ないからだ。
「自動小銃を買う」とは少々刺激的かもしれない。もちろんむやみやたらに銃を撃たなけれならない世の中になると言っているわけではない。10歳の子供が40歳になった頃、日本社会が今では想像できないほど不安定化している可能性があるということだ。今後、日本が衰退していき、社会不安が広がれば、礼節を重んじる日本人といえども、殺人を含めた様々な犯罪が増え、暴動が起きるかもしれない。30年後、今の日本が抱えている社会問題が一層深刻化した時、自分の身を守るために、自動小銃が必要になるかもしれないと言いたいのだ。
いずれもジム・ロジャースの日本人に向けたメッセージは辛辣で厳しいものだ。
時代は常に変化している。これからも様々な変化が起こるに違いない。だから、私達は新しい変化に適応しなくてはならない。そのヒントは、ジム・ロジャースが繰り返し強調する「成功したければ、常に歴史と哲学を学ぶことが大切だ」という言葉に内包している。
歴史は韻を踏むように少しずつ形を変えながら反復し、過去に起こった出来事と似たようなことが未来に必ず起こる。
したがって、過去の出来事を知っていれば将来に備えることができる。
哲学は人間の本質、社会の本質について学ぶ学問で、未来を知るためには、人間を知らなければならない。
今回のようなコロナ騒動を見ても「危機」を引き起こすのは、畢竟、人間なのだ。
日本語の「危機」という漢字は、「危うさ=ピンチ」の後に「機会=チャンス」が来ることを意味する。
今すぐ我々日本人は聳え立つ多くのピンチから眼を背けることなく、ピンチの後に必ず訪れるチャンスをものにするために立ち上がらねばならない!
残された時間は、決して多くはない!
国内の新型コロナウイルス新規感染者数が増加に伴い、感染第2波の懸念から外出自粛要請が出される中迎えた連休(7/22〜25)を利用し、世界的投資家ジム・ロジャースの近著を3冊まとめ読みした。
その3冊は、①『危機の時代』(日経BP)、②『ジムロジャース大予測』(東洋経済新報社)、③『ジムロジャース世界的投資家の思考法』(講談社)。
ジム・ロジャースは世界三大投資家の一人に数えられ、これまで2回の世界一周旅行と116カ国を訪問した実績から“冒険投資家”の称号を持つ斯界のカリスマである。
今、全世界がコロナショックに大きく揺れている。
止まらない感染者数の増加は国境閉鎖によるヒトとモノの流通の寸断を招き、世界経済に甚大な被害をもたらしている。
これにより多くの企業倒産、失業者の増加は避けられず、このまま世界恐慌に至る危険性も見えてきた。
広く世界を旅して見聞した経験に裏打ちされた俯瞰的視野に立つ大投資家は、かつて1987年のブラック・マンデーや2008年のリーマンショックなど節目となる経済潮流を予想し的中させてきた。
2019年からは、「2008年のリーマン・ショックをはるかに超える金融危機が迫っている」と警鐘を鳴らし続けてきた。
ジム・ロジャースによると今回の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は一つのきっかけに過ぎず、経済危機が迫っていること自体は以前から見えていたと言い切る。
『リーマン・ショック後の12年間、世界中で株価が上昇していた。
歴史的にも10〜12年間も株価が上がり続けることは極めて異例で、株価があまりに長期に渡って上がり過ぎれば、やがて下がるのは必然。
何よりこの株高を支えていたのが金融緩和政策であり、その結果過剰債務など深刻な財政問題を抱える国が目立つ』
コロナ禍による世界恐慌を回避するためにこの傾向はますます顕著で、アメリカをはじめとする先進国は、更なる金融緩和策として無制限の国債買い入れや政策金利の引き下げ、景気刺激策という名の巨額支出を繰り返している。しかしこれは対症療法に過ぎず、しばらくは有効としてもやがて積み増した国債の金利が上昇し、通貨が暴落する。残るのは巨額の債務とハイパーインフレという悪夢である。
つまり、新型コロナウイルスはトリガーに過ぎず、世界で「終わりの始まり」の幕が上がった訳である。
すでに約1100兆円という途方も無い借金を抱える我が国は、これまで政府、日銀が恐るべき規模の金融緩和を行い、国債やETF(上場投資信託)やREIT(上場不動産投信) を大量に買い入れてきたが、コロナ禍以後、ETF購入目標額を年間6→12兆円に倍増し、国債購入上限額の撤廃を決定した。これは、事態をますます悪化させる愚策としか言いようがない。
ズバリ日本を衰退させる原因は、この増え続ける「借金」と少子高齢化を背景に減り続ける「人口」だとジム・ロジャースは指摘する。
豊富なデータと自身の投資家としての経験から導き出されたジム・ロジャースの以下の警告に真摯に耳を傾けたい。
・永遠に借金を続けることなど不可能なのだから、防衛費や公共工事を始めとする無駄な支出の削減をする一方、女性が出産、子育てに前向きに取り組めるような少子化対策として効果がありそうなことは何でもやり、仕事と子育ての両立できる環境を整えることが急務である。
・コロナ禍で一年開催延期が決まった東京五輪は日本の景気を浮揚させる起爆材として期待されているが、東京五輪が低迷している日本を浮揚させる直接のきっかけになると私は思わない。
もちろん様々な経済波及効果はあるが、それは開催期間中、一部の人に短期的な利益をもたらすだけで、歴史を振り返れば、オリンピック後に開催国の経済が上向くという明確なエビデンスはなく、むしろ国の借金を増やし、財政を悪化させているケースが多い。
長期的視点に立てば、国全体を救うことにはならず、むしろ弊害 の方が大きい。
・少子高齢化に伴う人口減少は深刻な労働力不足と国内市場の縮小をもたらすが、これを予防する特効薬は積極的な移民政策を行うことである。
歴史を振り返れば、「鎖国する国は貧しく、解放した国は豊かになる」。
「移民に対する開国」で海外から優秀な人材が押し寄せるようになれば、その多様性がイノベーション=技術革新を生み出して新たな雇用と国力の活性化をもたらす。
そのためにまず、日本人の移民アレルギーをなくすことが必要だ。
・日本の将来を考えた時、ものすごい勢いで子供を増やすか、移民を受け入れるか、とんでもないスピードで減らすかしない限り、日本が長期停滞から脱する見通しは絶望的だ。若者が減って高齢者が増える。社会保障のサービス水準が変わらないとすると、数少ない若者に重税を課さない限り借金は増え続ける。誰にでもできる未来予想だ。
このままいけば、日本には恐ろしい未来が待っている。
すぐに消滅することはないが、実質的に国家が維持できなくなる可能性がゼロとは言えない。
将来的には、「かつて日本という国があった」と歴史の教科書に記述されるかもしれない。
・もし私が10歳の日本人ならば、AKー47(自動小銃)を購入して日本に居残るか、国外に脱出することを考えるだろう。
日本に居住し続ければ、これからの人生で、大惨事に見舞われる可能性が高いと言わざるを得ないからだ。
「自動小銃を買う」とは少々刺激的かもしれない。もちろんむやみやたらに銃を撃たなけれならない世の中になると言っているわけではない。10歳の子供が40歳になった頃、日本社会が今では想像できないほど不安定化している可能性があるということだ。今後、日本が衰退していき、社会不安が広がれば、礼節を重んじる日本人といえども、殺人を含めた様々な犯罪が増え、暴動が起きるかもしれない。30年後、今の日本が抱えている社会問題が一層深刻化した時、自分の身を守るために、自動小銃が必要になるかもしれないと言いたいのだ。
いずれもジム・ロジャースの日本人に向けたメッセージは辛辣で厳しいものだ。
時代は常に変化している。これからも様々な変化が起こるに違いない。だから、私達は新しい変化に適応しなくてはならない。そのヒントは、ジム・ロジャースが繰り返し強調する「成功したければ、常に歴史と哲学を学ぶことが大切だ」という言葉に内包している。
歴史は韻を踏むように少しずつ形を変えながら反復し、過去に起こった出来事と似たようなことが未来に必ず起こる。
したがって、過去の出来事を知っていれば将来に備えることができる。
哲学は人間の本質、社会の本質について学ぶ学問で、未来を知るためには、人間を知らなければならない。
今回のようなコロナ騒動を見ても「危機」を引き起こすのは、畢竟、人間なのだ。
日本語の「危機」という漢字は、「危うさ=ピンチ」の後に「機会=チャンス」が来ることを意味する。
今すぐ我々日本人は聳え立つ多くのピンチから眼を背けることなく、ピンチの後に必ず訪れるチャンスをものにするために立ち上がらねばならない!
残された時間は、決して多くはない!
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