2020年06月28日
不条理な転生劇
ブログ
こんにちは、兵庫県伊丹市の西田鍼灸療院です。伊丹市内を中心に尼崎市・豊中市をはじめとする阪神・北摂地区の患者様のお身体の悩みを「根本改善」に導く「根本治療」の鍼灸を提供しております。
今回、ご紹介したい本は『木になった亜沙』今村夏子(朝日新聞出版)
本書には、短篇小説が三作収録されている。
簡単に要約すると、
『的になった七未』は、投げつけられた物にことごとく避けられてきた主人公が、たった一つの願いである、自分が的になって「当たる」ことを求めて漂流する話。
『ある夜の思い出』は、床に腹這いになり怠惰な日々を過ごす事以外、何も望まない主人公が遭遇した一夜の奇妙な出来事と、その後日譚。
収録作全てに共通して描き出されるのは、「愛されたい」、「受け入れて欲しい」という女たちの哀切なまでに純粋な『承認欲求』が、思いも寄らぬ形で満たされた末に訪れる不条理である。
終始不穏に包まれた、奇想天外で、不思議な味わいに彩られた今村ワールドの独特の世界観に存分に浸っていただきたい!
読書の醍醐味を堪能させてくれること、請け合いの一冊である。
今回、ご紹介したい本は『木になった亜沙』今村夏子(朝日新聞出版)
本書には、短篇小説が三作収録されている。
簡単に要約すると、
表題作『木になった亜沙』は、誰も自分の差し出した食べ物を受け取ってもらえない主人公が、杉の木に転生し、割り箸に姿を変えて、人に食べ物を運ぶことに喜びを見出していく物語。
『的になった七未』は、投げつけられた物にことごとく避けられてきた主人公が、たった一つの願いである、自分が的になって「当たる」ことを求めて漂流する話。
『ある夜の思い出』は、床に腹這いになり怠惰な日々を過ごす事以外、何も望まない主人公が遭遇した一夜の奇妙な出来事と、その後日譚。
収録作全てに共通して描き出されるのは、「愛されたい」、「受け入れて欲しい」という女たちの哀切なまでに純粋な『承認欲求』が、思いも寄らぬ形で満たされた末に訪れる不条理である。
終始不穏に包まれた、奇想天外で、不思議な味わいに彩られた今村ワールドの独特の世界観に存分に浸っていただきたい!
読書の醍醐味を堪能させてくれること、請け合いの一冊である。
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