2020年02月27日
将棋と共に生き、楽しみ、笑い、悲しむ
ブログ
こんにちは、兵庫県伊丹市の西田鍼灸療院です。伊丹市内を中心に尼崎市・豊中市をはじめとする阪神・北摂地区の患者様のお身体の悩みを「根本改善」に導く「根本治療」の鍼灸を提供しております。
ここ3年、将棋界が熱い注目を浴びている。
この火付け役でブームを牽引するのが藤井聡太七段。
中学生棋士として最年少デビューを飾り、最年長棋士ひふみんこと加藤一二三九段とのデビュー戦に勝ち、そこからの29連勝(新記録)、王者・羽生善治を途中見事破っての朝日杯オープンの制覇(翌年も優勝し、二連覇。今期は残念ながら準優勝)、順位戦での昇級をかけた師匠・杉本昌隆七段との直接対決とその勝利。その活躍がマスコミを通じて大きく取り上げられる度に将棋人気がうなぎ昇りになった。
ただこの人気は、実際に将棋を指す「指し将」と呼ばれる愛好家の数が増えた訳ではなく、「観る将」と呼ばれる将棋を指さない(指せない)が将棋を観戦して楽しむファンの存在が大きく後押したものである。
中でも、「観る将」の最大の関心事が、「将棋めし」と呼ばれる棋士が対局の合間にとる食事やおやつ。
実際、藤井聡太七段の「将棋めし」が報じられる度、それを提供する店にファンが詰めかけ活況を呈する現象が起こった。
そんな「観る将」に待望の書が出た。
『将棋指しの腹のうち』先崎学(文藝春秋)
先崎学は、羽生善治と同年の現役棋士九段。
このブームの起こる前から、長らく週間文春に連載コラムを持ち、棋戦の対局内容を平易に解説することは勿論、盤外戦のあれこれをユーモラスに発信し続けてきた棋界屈指の名文家である。
本書は、将棋の聖地「千駄ヶ谷将棋会館」の周辺にあり、著者が通い詰めた店7軒を取り上げ、そこで繰り広げられた人間模様を赤裸々に綴った人生モノローグである。
先崎は棋士ではなく、あえて「将棋指し」と言う呼称を用いる。
そこには、対局に臨みただがむしゃらに、野性味剥き出しに勝利という果実を追求し、激しく斬り合う勝負師が、一旦そこを離れれば、同じ「将棋村」の住人として強い紐帯で結ばれていた、著者が青春を過ごした昭和という時代への深いノスタルジーが内包されている。
プロの登竜門である奨励会三段リーグを勝ち抜き、ようやく四段プロ入りを決め、祝勝会で泥酔した後輩を介抱した一夜と、その後日談。
長らく実力を認められながらも、なかなかタイトルに手の届かなかった後輩女流棋士が初戴冠を決めた夜、滂沱に流す涙をじっと見守る暖かな眼差し。
これらは、著者が昭和、平成、令和と30年以上に渡る「将棋指し」人生で目の当たりにした場面を軽妙なスケッチ風にしたためたもので、将棋と共に生き、楽しみ、笑い、悲しむ者達への鋭敏な感受性と、それを描く確かな文章力が独特の説得力を持って読者の胸に届く。
そういう意味で本書は、「観る将」から「読む将」へと誘う格好の一冊となろう。
ちなみに本日2月27日は、A級順位戦最終局が一斉に行われる「将棋界の一番長い日」である。
名人挑戦者はすでに決定済みだが、焦点は残留争い、降級者2名の行方である。
棋界最高峰に君臨する精鋭10名が「将棋指し」の意地とプライドをかけ息詰まる熱局を繰り広げる。
全局終局はおそらく日を跨ぐであろう長丁場。
腹が減っては戦は出来ぬ!
勿論、本院も「観る将」として「将棋めし」に注視する一人である^_^
ここ3年、将棋界が熱い注目を浴びている。
この火付け役でブームを牽引するのが藤井聡太七段。
中学生棋士として最年少デビューを飾り、最年長棋士ひふみんこと加藤一二三九段とのデビュー戦に勝ち、そこからの29連勝(新記録)、王者・羽生善治を途中見事破っての朝日杯オープンの制覇(翌年も優勝し、二連覇。今期は残念ながら準優勝)、順位戦での昇級をかけた師匠・杉本昌隆七段との直接対決とその勝利。その活躍がマスコミを通じて大きく取り上げられる度に将棋人気がうなぎ昇りになった。
ただこの人気は、実際に将棋を指す「指し将」と呼ばれる愛好家の数が増えた訳ではなく、「観る将」と呼ばれる将棋を指さない(指せない)が将棋を観戦して楽しむファンの存在が大きく後押したものである。
中でも、「観る将」の最大の関心事が、「将棋めし」と呼ばれる棋士が対局の合間にとる食事やおやつ。
実際、藤井聡太七段の「将棋めし」が報じられる度、それを提供する店にファンが詰めかけ活況を呈する現象が起こった。
そんな「観る将」に待望の書が出た。
『将棋指しの腹のうち』先崎学(文藝春秋)
先崎学は、羽生善治と同年の現役棋士九段。
このブームの起こる前から、長らく週間文春に連載コラムを持ち、棋戦の対局内容を平易に解説することは勿論、盤外戦のあれこれをユーモラスに発信し続けてきた棋界屈指の名文家である。
本書は、将棋の聖地「千駄ヶ谷将棋会館」の周辺にあり、著者が通い詰めた店7軒を取り上げ、そこで繰り広げられた人間模様を赤裸々に綴った人生モノローグである。
先崎は棋士ではなく、あえて「将棋指し」と言う呼称を用いる。
そこには、対局に臨みただがむしゃらに、野性味剥き出しに勝利という果実を追求し、激しく斬り合う勝負師が、一旦そこを離れれば、同じ「将棋村」の住人として強い紐帯で結ばれていた、著者が青春を過ごした昭和という時代への深いノスタルジーが内包されている。
プロの登竜門である奨励会三段リーグを勝ち抜き、ようやく四段プロ入りを決め、祝勝会で泥酔した後輩を介抱した一夜と、その後日談。
長らく実力を認められながらも、なかなかタイトルに手の届かなかった後輩女流棋士が初戴冠を決めた夜、滂沱に流す涙をじっと見守る暖かな眼差し。
これらは、著者が昭和、平成、令和と30年以上に渡る「将棋指し」人生で目の当たりにした場面を軽妙なスケッチ風にしたためたもので、将棋と共に生き、楽しみ、笑い、悲しむ者達への鋭敏な感受性と、それを描く確かな文章力が独特の説得力を持って読者の胸に届く。
そういう意味で本書は、「観る将」から「読む将」へと誘う格好の一冊となろう。
ちなみに本日2月27日は、A級順位戦最終局が一斉に行われる「将棋界の一番長い日」である。
名人挑戦者はすでに決定済みだが、焦点は残留争い、降級者2名の行方である。
棋界最高峰に君臨する精鋭10名が「将棋指し」の意地とプライドをかけ息詰まる熱局を繰り広げる。
全局終局はおそらく日を跨ぐであろう長丁場。
腹が減っては戦は出来ぬ!
勿論、本院も「観る将」として「将棋めし」に注視する一人である^_^
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