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2019年10月23日

人生最後の宿題

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こんにちは、兵庫県伊丹市・尼崎市・豊中市を中心に「根本治療」、「根本改善」に導く鍼灸を提供している西田鍼灸療院です。

燈火親しむ秋。今回オススメする本は、
『人生最後のご馳走 淀川キリスト教病院のリクエスト食』青山ゆみこ(幻冬舎文庫)

大阪市東淀川区柴島にある淀川キリスト教病院ホスピスは、日本で最初のホスピス・ケアを提供する病床が設けられた施設で、キリスト教精神に基づいた「全人的医療」の提供を目指し運営されている。

ホスピスとは、死を目前した人やその家族に対し、身体的・心理的・社会的・宗教的・哲学的な苦しみを緩和し、QOL(人生の質・生活の質)の向上を第一義に治療を行う医療施設。

従って、淀川キリスト教病院ホスピスの主な入院対象は余命2〜3カ月以内と限られた末期のがん患者で、平均在院期間は約3週間。

本書は、そんな死に臨んだ末期のがん患者14人のインタビューを収める。

このホスピスでは毎週土曜日の夕食に、入院患者一人ひとりの要望に応えた「リクエスト食」が提供されるのだが、これを糸口に語られる14人14様のエピソードは、それぞれが独自性に富み感興尽きない。

特筆すべきは、いずれのエピソードも「食べる」ことを単に飢えをしのぎ、空腹を満たす栄養補給に特化した散文的行為としてではなく、「時(いつ)・場(どこで)・人(だれと)」という記憶と結びついた幸せの風景として語られていること。

生きることは食べること、食べることが生きることであるならば、『自分とっての「人生最後のご馳走」とは何か』と自問し、死を身近に意識することは、今ある生を真に価値あるものにする。
いつか必ず訪れるその日のために、予め答えを用意しておくことは、「人生最後の宿題」と言える。

最後に淀川キリスト教病院ホスピスの「ホスピタリティ(無私の献身と歓待)」の高さに言及しておきたい。
それは、本書の中で語られるこのホスピスの医師の言葉に集約されている。
『ホスピスで患者さんのお世話をする私たちは、「私はあなたのことを大切に思っている」という思いをそれぞれの立場で患者さんに伝えることが大事』
ここに言う「お世話」とは受け取る者の尊厳に呼応し、「こころ」に届くものでなくてはならないということ。

「根本改善」を目指し、「根本治療」をさせていただく当院にとって肝に銘ずべき言葉である。

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